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ABA(応用行動分析)とは?
ABAとはApplied Behavior Analysisの略で、応用行動分析のことを言います。
アメリカの心理学者スキナーが創始した行動分析学が土台となっており、発達障がいをもつお子さんの早期療育や問題行動を改善する方法として最も効果的であると多くの研究によって科学的に証明されています。
自閉症児の研究を行ったアメリカのUCLAのロバース博士は、早期療育(2歳~4歳)を週20週~40時間以上を実施することを提唱しており、アメリカの多くの州では公的機関の援助がなされ、身近にセラピーを受けることができます。そしてABAはお勉強だけではなく、生活の中の様々な困った場面を分析することで、どうしたら適切な行動に導いていけるかを具体的に知ることができます。
ABAの考え方を簡単に図で表してみましょう。
どんな場面でどんなことが起きて、その結果どのようになったのか?を考えることで、その反応がなぜ起きたのかを知ることができます。そして、先行状況と結果部分を少し変えるだけで、行動(反応)は大きく変わってきます。
ABAの基本は、何かがんばった後には、結果としてご褒美を与え次も頑張れるようにすること、そして、何か困った行動や理解が難しい行動が起きたときには、その行動の機能を分析し、予防するためにはどうしたらいいのかを考えることです。(例えば、その場からの逃げ,注目を得るための行動等)。何か困った行動をしても怒らずに、お子さんのがんばったところをほめ、フィードバックをすることが大切です。
ママ・パパはこんなことで困ったことはありませんか?
一緒にお子さんとお買い物に行ったときに、お菓子コーナーの前で「お菓子買ってよ」と大泣きをする子ども。周りの目がとっても気になる。手に負えない。どうしようと悩まれたことがありませんか?どうしようもなくなり、お子さんの要望を聞いてしまったことはありませんか?要望を受け入れた日から、お子さんの泣く状況は日に日に増え、さらにもっとたくさんの要求をしてくるといった状況になったことありませんか?
この状況をABAで考えてみると・・・・
お菓子を買ってもらえない状況から自分の要望をかなえるために、泣く行動をします。その結果、お菓子を買ってもらえる。それは、泣くことによってお菓子を買ってもらえる状況であり、これはお子さんにとって、とってもラッキーなことなんです。次もしお菓子を買ってもらえない状況があるとしたら、その時、同じように泣くという行動をするでしょう。そして、泣く強さはさらに増していくでしょう。
ママ・パパの立場をABAで考えてみると次のようになります。
お子さんが泣いている状況を、どうにかしてでも止めさせたいと思うのは自然なことです。ここに小さな落とし穴があるんです。お子さんが泣き続けるという行動をすぐ止めるには、お菓子を買ってあげることが一番です。しかし、それは一時的なものであり、長い目でみると、お子さんの泣く回数や強度を増やしてしまうことになります。逆にママ・パパがお子さんに強化(お子さんにお菓子を買い与えることによって、泣きやむ)されている状況です。 つまり、お子さんが泣くであろう場面では、お子さんの要望を通すようになってしまうのです。
それは、とってもつらいことですよね。
こういうときには、お菓子を買わないことが大切です(すぐに要望を聞かないこと)。もし、買うときには何か一つ約束を守ってから買ってあげることが大切です。
例えば、ママのお買い物が全部終わってから買ってあげると約束をします。その約束が守れた際に、「ちゃんと約束守れたね。ママ嬉しかったよ。泣かずに待てたね!すごい!今日はとってもかっこよかったから、お菓子一つ買ってもいいよ」と約束を守ったこと、そして、ちゃんと我慢したところをほめてあげることが大切です。
そうすることで、お子さんはママ・パパにもっとほめられたいと思い、いろんな場面で自発的に行動するようになるでしょう。 そして、お子さんが行動する前にはどんなようすで、そのあとどんなことしたのか行動したあとには何が起きたのか?これを考えることによって、どうして行動したのか理由がわかります。
また、ABAは主に行動を一つの目安として見ていきますが、その中で、もう一つ大切なことがあります。
しっかりとお子さんの気持ちを理解し、共感することです。
例えば、悲しそうに泣いているお子さんに対して、「悲しかったんだね」と共感すること。「何があったの?どうしたの?」と聞くことも大切ですが、何よりもしっかりとお子さんの気持ちを代弁してあげることも必要なことです。
ここまでABAについて、お読みになっていかがでしたでしょうか?
ABAのやり方を知ることにより、さまざまな場面で生かすことができると思います。 子育てで困っているママ・パパの力に少しでもなれたら嬉しいです。
ころんでは、ABAに基づいてお子さんとかかわりをもっています。 嬉しいことや悲しいことを一緒に共有する中で、新しい発見が見つかることもあります。 そのときの驚きや嬉しさは、私たちの原動力にもつながっています。
小さな「できる!」をもっと大きく。
どんなことでも一緒に、笑顔で楽しくお勉強するのが私たちころんのモットーです。