こんにちは!
ころん板橋校です。
私は大学・大学院の時代から「ABA」ひいては「行動療法」を専門にずっと勉強に励んできた経緯があります。そのような経緯もあり、数多く参加した学会が「日本認知・行動療法学会」と「日本行動分析学会」です。
TVなどで聞く「論文(ジャーナルとも言われる)」というものも、実はこの学会が発行している学会誌に載せられた記事を指すことが多いと思います。
※ 但し例えば、自閉症について海外で大きな影響を与えたとされるBernard Rimland,1964/1980 はその著書「INFANTILE AUTISM」の中で「本書は研究論文である」と記載しており、論文を本で発表している著者がいることも事実です。そのため、学会誌が論文の全てではないだろうとも思ってはいます。
ころんで扱っているABA(応用行動分析学)は「行動分析学」を応用した学問であり、行動分析学を応用したものとして、名前を「応用行動分析学」と銘打っています。
日本行動分析学会(2010)の「行動分析学会研究アンソロジー2010」という本によれば、日本行動分析学研究第一巻(これは、学会誌です)が発行されたのが、1987年の3月。この本は2010年の本ですが「1987~2009」までに掲載された論文の総数が載っています。その数、多いか少ないかは個人の判断に委ねるとして、「283」という数です。
学習理論を使い、行動を扱っていく日本行動分析学会が誕生したのが1987年であると思われます。意外に、結構最近だな。と、思いました。
学習理論(行動療法)を扱い、日本で自閉症の行動改善をテーマにした最初の論文は1969年に梅津耕作が書いたもの(参考 梅津耕作,1975)のようです。
それから学会の発足まで、10年以上が経っている。そう考えると当時はあまり、「自閉症児に学習理論を応用して療育する」ことへの、注目度は高くなかったのかもしれません。
現代はエビデンスベースドプラクティス(EBP:科学的証拠に基づいた治療というニュアンス)が注目されています。心理学分野も現代はエビデンスを求める、「効果」を求める必要性が問われてきているようです(参考 原田 隆之,2015)。
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【参考文献】
Bernard Rimland (1964/1980) INFANTILE AUTISM 【邦訳: 熊代 永・星野 仁彦・安藤 ひろ子 (1980) 小児自閉症 海鳴社】
(編)日本行動分析学会 (責任編集)藤 健一・望月 昭・武藤 崇・青山 謙二郎 (2010) 星和書店
原田 隆之 (2015) 心理職のためのエビデンス・ベイスド 金剛出版
梅津耕作 (1975) 自閉症の行動療法 有斐閣双書