こんにちは!
ころん板橋校です。
自閉症やその他の発達に遅れを持つ子どもたちは、子どもたちにとって難しい、あるいは興味をそそられない勉強や宿題に頻繁にさらされています。そのような状況を受け、Lynn Kern Koegel・Anjileen K. Singh・Robert L. Koegel (2010) は研究を行いました。
この研究では4~7歳の4人の子どもを対象にお勉強を行う際「教材や場所を子どもに選ばせる」ことと「お子さんにとっての強化子を自然な形で提供する」ことでお子さんの勉強に対しての動機づけを上げることを狙いました。
「教材や場所を子どもに選ばせる」ことと「自然な強化子の提供」を行う前のセッティングは例えば国語の場合、
『「テーブルに座って」大人が座った後「ここに紙と鉛筆があるよ。 家族についていくつかの文章を書いてください。 終了したら外で遊ぶことができます」』
というようなものです。まぁ、普通というか一般的なお勉強という感じがします。
しかし、このシチュエーションに「教材や場所を子どもに選ばせる」ことと「お子さんにとっての強化子を自然な形で提供する」ことの動機づけを行うと、例えば国語では、
・ 鉛筆とマーカー、どちらを使いたいか尋ねて子どもの好きな教材を使用した(教材の選択)
・ 「どこに座りたいですか?」と聞いて勉強を行う場所が選択できた(場所の選択)
・ 地図に魅了された子どもに対して、街の地図を描くために「地図を書きたい」と文字を書くように設定した(自然な強化子の提供)
などになります。
「選択」はわかりやすいですが、「自然な強化子の提供」は少しわかりにくいかもしれません。
例えば算数でいえば「グミ列車に5 + 3を追加して!できたら、あなたはグミ列車を食べることができますよ」のような、教材で使用したアイテムをそのまま強化子にセッティングする手続きも自然な強化子の提供の例のようです。
結果として、研究では課題に「教材や場所を子どもに選ばせること」と「お子さんにとっての強化子を自然な形で提供する」ことという動機づけ要素を取り入れることで、より速い課題の習得率、破壊的行動の減少、そして関心の向上をもたらしたことを示しました。
もしお勉強をすることに抵抗を示すお子さんがいらっしゃって、どうすればもっとお勉強を頑張ってくれるのか?と、頭を抱えてしまっているとすると、上記のような手続きを試してみると良いと思います。
簡単なのは「選択をさせる」ことだと思います。
「今日は、どっちのお勉強からする?」
「何色のペンを使う?」
「どこでする?」
「一人でやってみる?私も手伝おうか?」
など、そんなに難しくない要素だと思うので取り入れてみてください。
今後とも、キッズアカデミーころん板橋校をどうぞよろしくお願いいたします。
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【参考文献】
Lynn Kern Koegel • Anjileen K. Singh •Robert L. Koegel (2010) Improving Motivation for Academics in Children with Autism. Journal of Autism and Developmental Disorders 40: p1057–1066